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吉竹弘行の半生

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元祖ニート? 大学を17年もかけて卒業した理由

一度目の大学時代

当時の私は今のニートに近い存在でした。
バイトや遊びに明け暮れ、休学をしたら気が付けば11年もたっていたというのが本当のところです。
はっきりした理由なんてありません。無目的にダラダラした学生生活を送っていたように感じられます。
卒業間近の6年生にしてついに中退してしまったときも深く考えていませんでした。
今考えれば、何故、もう少しだけ我慢できなかったのか・・と思いますが。

 

ニート時代

中退後は建設作業員・交通整理・コンビニ店員・カラオケボックス店員・家庭教師等さまざまな職種を経験しました・・・というより流浪しました。

この5~6年間の経験は今では良い社会勉強をしたと思っていますが、当時は先の見えない毎日に漠然とした不安を感じていたのも事実です。
それでもやってこられたのは20代という若さがあったからでしょう。


流浪中さまざまな事を経験させてもらい、 自分の人生について真剣に考えることも出来、ついに、というか、ようやく道半ばの学問の完遂を決意しました。

 

改心した二度目の大学時代

結果、ずいぶん遠回りして藤田保健衛生大学に医学部6年生として再入学しました。
ここでようやく私はニートもどきから決別できました。

さすがに30歳半ばになると私も少しは大人になっていたようで、今度は窮屈な思いを感じながらも真面目に勉強しました。
そして翌年卒業し国家試験にも合格し医師免許を取得しました。大学入学から17年もたっていました。

 

医師免許取得後

職歴は細かなところは割愛しました。ニートもどきの時代に培ったのか、生来のものかは分かりませんが、私は医師になっても流浪しました。今までに合計、一都・十一県に勤務したことになります。
それまでにさまざまな患者さんと接してきました。

 

現在

精神科というと昔は偏見と誤解に満ちあふれた科目で、他科の医師たちからも偏見に満ちた言動を浴びせられることがしばしばありました。
しかし日進月歩で高情報・高密度化されていく現代社会では生活にゆとりや豊かさが出るどころかさらに複雑でゆとりのない社会になり、人々の精神を追い詰める状況が頻出されるようになりました。

結果、精神科や心療内科に通院する人は多くなりました。皮肉なことに、この世相を反映した社会現象により精神科にたいする偏見はずいぶん払拭されてきたようです。

しかし、まだまだ誤解している方が多いのも事実です。
精神科医は患者さんと向き合うだけでなく、そのような誤解とも闘って行かねばなりませんでした。

 

これから

精神の病気の治療には医師の努力や家族や周囲の協力・理解などが必要ですが、行政が「この社会の在り方」という大きな視点をもってアプローチしなければ解決できない側面をもっています。

地震や大災害・テロなどの非日常が原因の場合もありますが、精神を蝕むのはほとんどが、仕事や家庭の中という日常で進行していきます。
この日常を変えるためには行政レベルの介入(社会の根幹の変革)が必須であり、年金問題や介護問題と同じく今後の国家100年の計を鑑みて取り組むべき大きな社会的課題であると私は考えています。

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