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新型うつ病

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新型うつ病に関して、最近いろいろと世間を騒がせる風潮もあるが、新型うつ病は以前から存在したので、いまさら新型うつ病とは言わないと主張する精神科医もいる。

新型うつ病には、発達障害との関係を殊更に強調する精神科医もいる。
ディスチミア型うつ病を基本的には新型うつ病とするのが適している言えるであろう。確かに約20年前ぐらいから存在しえたと主張する精神科医もいて、だから新型うつ病とはいわないと否定する意見もある。ディスチミア障害はうつ病ではないと言う心療内科医や精神科医もいる。

なぜこのようなこと言いだすかを私なりに考えてみたのだが、典型的なうつ病の病前性格は、真面目で几帳面な性格で完璧主義者、責任感が強くて、頑張り過ぎてしまうタイプの人がうつ病になり易いと言われいた。
ディスチミア型うつ病の病前性格は、典型的なうつ病の病前性格とは違い自己評価が高く、他者に対しての評価が低く、なにかにつけて他罰的で、疲労感や全身倦怠感を訴えることが多い。

うつ病の病前性格を問題にするのは、日本とドイツぐらいと言われている。
ディスチミア型うつ病は先ほど述べたように、典型的なうつ病の病前性格とは大きく異なる。うつ病の病前性格にこだわりが強い日本の精神科医は、ディスチミア型うつ病は典型的うつ病の病前性格とは大きく異なるために、うつ病と認めたがらない傾向があるように私には思える。

ディスチミア障害はICD-!0では感情障害に属しているが、症状として、食欲減退、不眠、気力の低下、集中力の低下、決断力の低下、絶望感、自尊心の低下、決断困難等があり、これだけ揃えれば充分にうつ病と言えるのではないか。そもそも感情障害等という言葉自体に無理があると私は感じる。
病前性格にこだわりを持たずに患者さんの訴えを良く聞き、症状から診断を下すべきである。明らかに新型うつ病ではなくて、人格障害をうつ病と診断しているケースもあり、それにも関らず抗うつ剤の効果が乏しいとぼやく精神科医もいるので、新型うつ病に効果が乏しいと決めつけるのは早計である。

新型うつ病として対処しているが明に人格障害のケースあるので、それを挙げてみることにした。
上野玲氏の、都合のいい「うつ」という本の106ページ「新型うつのケーススタディ2」花形なんだからなんでも許される、このケースは私から言わせれば明らかに人格障害のケースである。

叱責した上司を無能呼ばわりし、散々悪口を書いたものを四万字にわたって書き連ね、社内LANを使って、全社員にいっせいにメールを送信したと書かれているが、うつ病であれば、四万字にわたって書き連ねることは到底不可能である。この部分からだけ判断すると、境界型人格障害といえるであろう。

B子さんの主張はこのようになっている。
「私は優秀な成績で入社したはずです。それは入社時の記録を見ていただければ証明できると思います。一部省略して、もっと高度な研究ができるスキルを持っています。」この部分から判断するとディスチミア型うつ病の病前性格の自己評価が高いところと一致する。またB子さんは更に主張を続ける「上司が無能なせいで、私はちっともまともな仕事をさせてもらえません。これでは私のスキルは台無しです」

この部分から判断すると、ディスチミアうつ病の病前性格の他者に対しての評価が低く、なにかにつけて他罰的であるところに一致する。

しかし先に述べたとおり、うつ病であれば、四万字にわたって書き連ねるパワー等、到底ないのである。
この部分から判断すると、自己愛性人格障害といえるであろう。差し詰めこのまま放置していれば、行く末は反社会的行動も取りかねないタイプの人である。即ち、私から言わせれば反社会人格障害の予備軍である。最近このタイプは増えてきているから要注意である。

このようなケースをうつ病と診断してしまう精神科医がいるから本当に困りものである。B子さんは最初の半月ほどは今にも死ぬような弱弱しい声で、「つらくて寝込んでいます。」と言っていましたが、1か月も経つ頃には、一転して朗らかな声に変っていました。と書かれている部分から判断すると演技性人格障害の可能もうかがえる。うつ病の場合1か月程度で朗らかになるケースは、私の臨床経験からすると稀である。こういうケースはまず人格障害を念頭に置くべきである。

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