沖縄・尖閣諸島付近で起きた中国漁船による衝突事件で日中間の緊張が続く中で
臨時国会が始まったが、菅直人首相や仙谷官房長官は、中国人船長を拘置期限前に
処分保留で釈放したことについて政治介入は一切ないと繰り返した。
那覇地検・鈴木享次次席検事が、わが国国民への影響と今後の日中関係を
考慮するとこれ以上、身柄の拘束を継続して捜査を続けることは相当でないと判断したと
仙谷官房長官によって説明された。
鈴木享次次席検事の説明は外交に配慮するかのが如くのものであった。
そもそも検事は法を司るのが仕事である。本来釈放したならば、取り調べをしたところ
違法行為にするには容疑が不充分なため釈放したとだけに発言を止めるべきである。
地方の次席検事が、外交云々等と言い出すのは越権行為であり、三権分立に反する。
そういう意味でも、本来ならば菅直人首相や仙谷官房長官は越権行為発言には、
釘を刺すべきである。しないところをみると政治介入があったと疑われも仕方がない。
鈴木享次次席検事が、外交云々等と発言しているのは政治介入があったとは、
なかなか記者会見では言えないので、鈴木享次次席検事の政治に対する細やかな
抵抗であったかもしれないが、仙谷官房長官は検察から釈放するとの報告を受け、
了としたと述べた。
しかし、鈴木享次次席検事は日中関係を考慮するといい、外交を云々するような発言を
仙谷官房長官は概ね是認したようだが、地方の次席検事が外交云々と言うのは越権行為
だと主張すべきなのである。
仙谷官房長官は弁護士にも関わらず、三権分立を守る気があるのか疑わしい。
唐突に中国人船長を釈放したものだから中国から謝罪と賠償を要求される等、
民主党政権は散々な目にあっている。
釈放するなら政府がキッチリとした説明をして、中国政府を納得させてからにするべきである。
今までの中国政府の出方からすれば、唐突に釈放すれば、謝罪や損害賠償を
要求するに決まっている。こんな程度のことが分からないようでは、外交等出来るはずはない。
現在の民主党政権は完全に外交失格者の烙印を押されも仕方がない。
戦前なら国賊よばわりされて大変だったはずだが、今は大きな声を挙げる国民は少なく、
民主党政権の方々は幸せである。